(吾智網漁・底曳網漁・一本釣漁)
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これから晩秋に向けて日増しに肥えて脂がのってくる、
紅葉鯛と呼ばれる秋が旬! |
明石の鯛は、明石海峡の激しい潮流にもまれ、身がひきしまり、さらに豊富なエサにも恵まれています。この環境が、明石鯛という日本一のブランドを育てました。 |
↑ 店頭に並べる直前まで店内の活洲で生かせておきます。 |
↑ 肌には青い斑点 |
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↑ 目の上には青いライン |
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↑撮影 宮本(パパコーポレーション) |
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なぜ明石ダイは美味いのか! |
まずは、激しい潮流に揉まれているから。
過保護?に育てられた養殖物と違い、こちらはまさに体育会系!?
自然の厳しい環境の中で育っているので、身が引き締まっています。
そして食べ物、カニやエビという人間が食べても美味しいものをエサにしてるので、美味いはず!
さらに見逃せないのは魚の"扱い"
漁師をはじめ魚屋、料理屋とそれぞれにこだわりがあります。
例えば我々魚屋は"活越"といって水揚げされたばかりの鯛を直ちに絞めるのではなく、24時間以上活洲の中で活かせ、ストレスを解消させることによってさらに旨味を引き出します。
さらには身が活った状態(プルンとしなるような状態)が少しでも長時間保てるようにと、尾っぽから神経の通っている部分にハリガネを通し神経を抜く"神経抜き"(↓写真)をします。
また、料理屋は"活締"といって最も美味しく食べられる時間から逆算して締める時間を魚屋に指定します。
この様に少しでもお客さんに美味しく食べて頂くために、各々がこだわりを持って頑張っています。 |
↑神経抜き
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お刺身・塩焼はもちろん、浜で人気があるのは焼き切り。
焼き切りとは、お造りにする時は、ふつうは三枚に卸して皮をひくのですが、
皮をつけたままで、表面だけを焼き、お造りにして、温かいうちにわさびじょうゆで食べます。
火を通すことで、さらにうま味が増します。
是非、挑戦してみて下さい! |
↑ お造り |
↑煮付
↑アラ塩焼
↑霜降り
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↑真子(抱卵期のみ)150g |
↑白子(抱卵期のみ)200g
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天然明石ダイと養殖ダイ |
天然物(天然ダイ)が獲る漁であるのに対して、養殖物は育てる漁。
天然物を狩猟方とするなら、養殖物は農耕方ってとこです。
天然物が激しい潮流に揉まれ育っているのに対し、養殖物は、狭いところにぎっしりと詰め込まれ、育てられています。
ただ、天然物は漁期があり、獲れる量にもムラがあります。
その点、養殖物は安定供給、計画生産が可能です。特に年末など、一時期に大量に消費される時には欠かせません。
見た目も違います。
天然物は、いかにも荒海を泳いでいるといった感じで、スラリとしていて、養殖物に比べ、エラビレや尾ビレが長いです。
天然物、中でも明石物は、鮮やかなピンク色をしていて見た目が綺麗です。
目の上にはアイシャアドーのような青い輝きがあり、肌には青い斑点があります。
絵に例えると、天然物は水彩画のような透明感があるのに対して、養殖物は油絵のようです。 |
↑ 上が天然明石鯛、下が養殖鯛
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明石鯛に多く見られる中骨のコブ
↑は明石鯛の中骨でコブの様なものがあります。 これは奇形ではなく、明石鯛に多く見られる現象で、早い潮流による影響ではないかと考えられています。
明石鯛の美味さは、潮流の早さと豊富なエサにあると言われています。これは、その潮流の早さを証明しているものです。
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天然明石鯛vs養殖鯛の味比べ
〆てから10時間後の天然鯛が一番!
企画:NPO法人ダッシュ明石 |
天然・養殖の鯛をそれぞれ絞める時間を24時間前から食べる直前と5段階に分け、刺身にして食べ、その味を比べようという試みがありました。
用意されたアンケート調査票に記入する官能検査(47名が参加)と、機械を使って検査した科学的分析結果、これらを合わせた結果が発表されました。
結果報告
神戸学院大学栄養学部・野口孝則講師
締めてから10時間たった天然鯛が最も美味しい!
人が美味しいと感じるのは、アミノ酸の量が大きく影響します。その量を機械で測定しました。
天然鯛は、養殖鯛よりグルタミンサンが多く存在していました。しかし、分泌されるまで時間を要し、ピークに達するのが絞めてから10時間後。その後は腐敗が始まり、アミノ酸が奪われていきます。
一方、養殖鯛は絞めた直後と時間が経過したモノとでもアミノ酸の量は殆ど変わらない為、絞めた直後であれば天然鯛も養殖鯛もうま味そのものは変わらないといえます。
また、絞めた直後のものは、どちらもコリコリと舌触りが良く、これを美味しいと感じる為、味の比較も難しいようです。
一方、人の五感を使って調べた官能検査でも、驚くべきことに47名全ての人が「締めてから10時間後の天然鯛が最も美味しい」と答えました。
人の五感からも機械による測定からも同じ結果を得ることができました。
活洲から生きた鯛をあげその場で料理をしてくれるお店があります。養殖鯛であるなら理にかなっているのかもしれません。
しかし、天然鯛であれば、絞めたてよりも一定の時間がたった物の方が美味いということが実験で実証できました。
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桜ダイ(春の鯛)
春に水揚げされるタイは"桜ダイ"と呼ばれ親しまれています。
↓写真は、上がメスで下がオス。
ご覧のように春のタイは、オスとメスの色の違いがはっきりとしています。
春は産卵期にあたるのでお腹にメスは卵、オスは白子を持っています。
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紅葉ダイ(秋の鯛)
一方、秋に水揚げされるタイは"紅葉ダイ"と呼ばれ親しまれています。
↓写真の様に赤みが増し紅葉のようになるからだそうです。オスメスの色の違いはあまりありません。
夏に活発にエサを食べ、丸々と肥えて秋にはピークに達します。
紅葉鯛、それは旬の鯛ということです。
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ブログ(2013.05.15)
明石流?魚の買い方
やはりとれたての魚は、丸ごと一匹たなに並べ、まずはその色つやを見て頂きたい。
ただ、お客さんによっては、丸ごと一匹は少々多すぎることもあるようだ。
そこで、今回は明石流?魚の買い方を明石鯛を例に紹介しよう。
丸ごと一匹買って頂いた鯛は、その場で料理をさせて頂くのだが、
その時、二枚に卸して上身の骨なしは刺身用に皮をひき、下身の骨付きは塩焼・煮付け用に切り身にする。(↑写真)
店ではこれを「半刺半切」と呼んでいる。(半分は刺身、半分は切り身の略)当店ではこの半刺半切を頼まれるお客さんが圧倒的に多い。
まずは刺身を食べる。鮮度が命の刺身は待ったなし。
後の切り身、これは火を通すので数日後でもかまわない。さらに冷凍保存という手もある。さすれば、同じ魚で二度楽しめる。
これが明石流なのだ!もちろん他の魚でも応用?できる。 |